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甲状腺眼症について
こんにちは
先週末は日本眼科学会で教育セミナーでの講演があったので、東京に行ってきました。
夜は眼腫瘍や眼形成を専門とする先生達とごはんに行って、長い間消化不良だったことが解決したので、その話を少し書いて、その後甲状腺眼症の話を書きます。
「目がでてようが、まぶたの形が多少変だろうが、そんなの問題ない」への違和感
眼腫瘍の分野で有名なA先生から、「目がでてようが、まぶたの形が多少変だろうが、そんなの問題ないそんなの治さなくていいんだよ。命さえ大丈夫だったらそれでいいんだよ。それが一番大事」と飲み会のたびに、よく言われてました。
言ってることはよく分かる。
けど、「んー、いや違うんだけど」と、腑に落ちてませんでした。
しかし今回、眼腫瘍の診療を数十年しているB先生と話をして、
その言葉の根っこにあるものが何となくわかりました。
B先生曰く「眼腫瘍という世界からまぶたの手術を始めると、まずは命のために、腫瘍をとりのぞく。
例えばまぶたの大きい腫瘍をとりのぞくと、皮膚に大きな欠損ができる。
そこをつなげようとすると、まぶたは変な形になってしまう。
自分では少し変な形に仕上がったなーと思っても、患者さんには「ありがとうございました」とものすごく感謝される
本当にものすごく感謝される。
感謝されるから、これでいいんだと思ってしまう
でも今、眼腫瘍の世界から少し離れて、普通のクリニックで、まぶたの手術をしてみると、今まで見慣れてきた仕上がりではだめなんだと気づく。
見慣れてきた仕上がりでは感謝されない。今はふつうのまぶたの手術の勉強をしてるよ」とのこと。
患者さんからの感謝はモチベーションの一つであり、それが診療のバロメーター
医者にとって、患者さんからの感謝はモチベーションの一つであり、それが診療のバロメーターでもあります。
医者は、その病気の手術をしたことがない、治療をしたことがない、つまりその病気の患者さんから感謝を受け取ったことがない場合、それは治す必要ないんじゃないかと評価をしてしまうことがあります
その代表的な病気として甲状腺眼症があります。
内科の先生や、一般眼科の先生に、外見が変わってきたと患者さんが説明しても、それは治さなくていい、もしくは治せないと言われることも多いです。甲状腺眼症は私達のクリニックのグループで最も治療に力を入れている病気の一つです
甲状腺眼症とは、自分を守るための自己免疫システムの一部に破綻が起こり、目の周りの組織に炎症が起こって、
- 眼球が飛び出てきたり(眼球突出)、
- まぶたが腫れたり (眼瞼腫脹)、
- 物が二重に見えたり (複視)する病気です。
多くはバセドウ病や橋本病といった甲状腺に関する病気と一緒に起こります。
甲状腺眼症による眼球突出に対して、「目より奥にある脂肪を減らす」美容的な手術ができるのは、当クリニックのグループだけです
目が飛び出てくると、「目が圧迫される感じがする」という違和感が出たり、「自分の顔の変化に気持ちが追いていけず、鏡を見るのも、外に出るのもいやになった」という患者さんもいます
脂肪を減らす手術(減圧手術)を行うことにより、鏡も見れて外出することが楽しくなったと感謝してくれる患者さんは多いです。
当院での「甲状腺眼症」治療症例
目のでっぱりが気になる患者さんはぜひご相談ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました
続きはこちら
「甲状腺眼症について【その2】」を詳しく見る
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甲状腺眼症 バセドウ病・甲状腺眼症治療の名医をお探しなら、オキュロフェイシャルクリニック京都へ。バセドウ病・甲状腺眼症の大きな問題点は、点滴や内服の治療を受けて安定期に入っても、風邪のように治ったら元通りではなく、以前とは全く異なる見た目・容姿になってしまうことです。京都の眼形成外科「オキュロフェイシャルクリニック京都」へ。
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著者情報
藤本 雅大
Masahiro Fujimoto患者さんへのご挨拶
私は10年前に京都大学で眼形成・涙道外来を立ち上げ、京都をはじめ、滋賀、奈良、福井、三重、そして遠方の他府県から悩みを抱えて受診された方々の治療を行ってまいりました。
全国学会では多くのシンポジウム、教育セミナーなどで講演し、涙道涙液学会、眼瞼義眼床手術学会の理事を務め、京都、大阪、兵庫、三重、長崎の地域の10カ所のクリニックで眼形成手術、涙道手術を行い、現在までに10,000件以上の手術を行ってきました。また、オキュロフェイシャルクリニック東京で行われている最先端の様々な手術手技も直接受け継いでいます。
最先端の知識と長年にわたる経験を基に、痛みの少ない麻酔方法で、患者さん一人一人に最適な治療を提供いたします。治療に迷われておられましたら、是非一度ご相談ください。
経 歴
平成18年 | 神戸大学医学部医学科卒業 |
---|---|
平成20年 | 京都大学眼科学教室入局 |
平成24年 | 兵庫県立塚口病院 医長 |
平成26年 | 京都大学医学部附属病院眼科 医員 |
平成30年 | 京都大学医学部附属病院眼科 助教 |
平成31年 | 中野眼科医院 副院長 |
令和3年 | 京都大学医学部附属病院眼科 臨床准教授 |
令和4年 | オキュロフェイシャルクリニック東京 |
令和6年 | オキュロフェイシャルクリニック京都 |
所属学会・資格
- 日本涙道涙液学会:理事
- 日本眼瞼義眼床手術学会:理事・学会長
(2021年度) - 日本眼形成再建外科学会
- 日本眼腫瘍学会